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特定技能の受け入れガイド:企業が最初に準備すべき7ステップ

人材不足に悩む中小企業にとって、特定技能制度は大きなチャンスとなります。外国人材を受け入れることで現場の負担が軽減され、事業の安定化にもつながります。しかし、制度理解や準備不足があるとトラブルの原因となってしまいます。

本記事では、2026年時点の最新情報に基づき、特定技能の基本から受け入れの7ステップまでをわかりやすく解説いたします。

特定技能制度とは?企業が知っておくべき基本情報

特定技能制度の概要と導入背景

特定技能制度は、深刻な人手不足を解消するために2019年に導入された制度です。
特定技能外国人は、技能試験や日本語能力試験に合格しているため、現場で即戦力として活躍できる人材となります。

「特定技能1号」と「特定技能2号」の違い

特定技能1号では、現在16の特定産業分野において専門性や技能を要する現場業務に従事することができます。在留期間は通算で5年までとなっています。
特定技能2号では、より高度な熟練技能を求められる業務に従事でき、在留期間の上限がなく、家族帯同も認められています。

2026年現在、特定技能1号の対象となる全分野において、将来的に2号(介護分野は在留資格『介護』)へ移行し、永住権申請も見据えた長期就労を可能にする制度設計が進められています。

すでに運用が確立している11分野に続き、新しく追加された分野についても順次、2号移行に必要な試験や要件の整備が行われています。これにより、どの分野からスタートしても、本人の習熟度次第で「期限のない就労」を目指せるキャリアパスが全産業で整いつつあります。

特定技能1号の対象となる16分野(2026年最新)

対象分野は以下のとおりで、これら16分野で受け入れが認められています。

  1. 介護
  2. ビルクリーニング
  3. 工業製品製造業
  4. 建設
  5. 造船・舶用工業
  6. 自動車整備
  7. 航空
  8. 宿泊
  9. 農業
  10. 漁業
  11. 飲食料品製造業
  12. 外食業
  13. 自動車運送業
  14. 鉄道
  15. 林業
  16. 木材産業

2026年1月23日 閣議決定アップデート

政府は新たに「物流倉庫」「リネンサプライ」「資源循環(廃棄物処理)」の3分野を追加することを正式決定しました。これにより、特定技能は将来的に19分野となります。

※新3分野の試験開始・ビザ申請は2027年以降となる見込みです。現時点で即戦力として採用できるのは上記16分野となりますのでご注意ください。

制度改正の最新ポイント

2025年以降、企業の事務負担を軽減し、よりスムーズな運用を可能にするための重要な制度改正が行われました。

  • オンライン申請の原則化 在留資格の申請手続きについてはオンライン申請が原則となりました。
    マイナンバーカードを活用したシステムにより、窓口へ出向く手間が省け、審査状況の確認もより効率的に行えるようになっています。
  • 定期届出の集約(年1回へ) これまで3か月ごとに必要だった定期届出の提出回数が、年1回(毎年4月1日〜5月31日の期間)に集約されました。
    前年度分(4月〜翌3月)の実施実績を一括して報告する形に簡素化されています。
Warning

報告回数は減りましたが、支援の実施状況や相談記録を日頃から管理しておく義務に変更はありません。また、雇用契約の変更や困難な事案が発生した際の随時届出は、その都度行う必要があります。

特定技能外国人を受け入れる企業に求められる条件

所属機関としての要件

企業は社会保険と労働保険に加入している必要があります。
また、過去1年間に会社都合の離職者がいないことなど、適正な雇用管理が行われている企業であることも求められています。

労働条件と法令遵守の重要性

特定技能外国人の労働条件は、日本人と同等以上である必要があります。
不適切な待遇や契約違反があった場合には、企業に対して受け入れ停止などの厳しい措置が取られることがあります。
そのため、契約内容や給与体系を透明化し、法令を遵守した運用が必要となります。

支援体制の構築義務

特定技能1号外国人を受け入れる企業には、生活支援を提供する義務があります。
支援を自社内で実施する方法と、登録支援機関へ委託する方法のいずれかを選ぶことができます。

企業が最初に準備すべき7ステップ

ステップ1|受け入れ計画の策定

  まずは必要な人数や職種を明確にすることが重要です。
  国が新たに設定した82万人の受け入れ枠も踏まえ、中長期的な人員計画を立てる必要があります。

ステップ2|採用方法の選定

  国内にいる留学生や元技能実習生を採用する方法と、海外から新規に受け入れる方法のどちらを選ぶのかを検討します。

ステップ3|求人票の作成と募集開始

  求人票には、業務内容・給与・条件を明確に記載することが求められます。
  2026年時点では給与水準が特に厳しくチェックされるため、地域の相場を把握し、適正な金額を提示することが必要です。
  求人票は日本語だけでなく、外国語対応が望ましいです。

ステップ4|面接・採用決定

  採用面接はオンラインの活用も進んでおり、海外の候補者ともスムーズに面接ができます。
  通訳を交えて業務内容を正確に伝えることで、ミスマッチを防ぐことができます。

ステップ5|在留資格申請と必要書類の準備

  在留資格の申請はオンライン申請システムを使って行います。
  書類の不備は審査遅延につながるため、必要に応じて専門家のサポートを受けながら進めることが望ましいです。

ステップ6|住居・生活支援体制の整備

  住居の確保、水道・電気・ガスの契約、Wi-Fi環境の整備など、外国人材が生活をスタートできる環境を準備します。

ステップ7|入国後のオリエンテーションと定着支援

  入国後には職場のルールや生活に関する説明を行い、トラブルを防止します。
  また、企業は毎年1回4月〜5月に、前年度の支援実績をまとめた定期報告を確実に提出する必要があります。
  ※ただし、支援内容の変更や雇用契約の変更などが発生した際の随時届出は、その都度必要です。

💡 外国人雇用労務士が教える!書類作成で不許可になりやすい「要注意ポイント」

特定技能の受け入れ手続きは、他の在留資格に比べて提出書類が非常に多く、精緻さが求められます。外国人雇用労務士の視点から、実務で特に陥りやすい落とし穴を3つご紹介します。

1. 業務内容と「職種」のミスマッチ
最も多い不許可・差戻しの理由は、申請した職種と実際に現場で行わせる業務のズレです。例えば飲食料品製造業で申請しているのに、実態が接客業と判断されると、資格外活動を疑われ不許可のリスクが高まります。現場のオペレーションを正しく反映した書類作成が不可欠です。

2. 報酬額の「日本人と同等以上」の証明不足
特定技能外国人には、同じ業務に従事する日本人と同等以上の給与を支払う義務があります。比較対象となる日本人従業員の賃金台帳や就業規則との整合性が厳格にチェックされます。単に金額を合わせるだけでなく、なぜその金額設定なのかという根拠を論理的に説明できる準備が必要です。

3. 社会保険・税金の未納(企業・本人ともに)
受け入れ企業側はもちろん、転職(転籍)で受け入れる場合、本人のこれまでの社会保険や住民税の支払い状況も厳しく見られます。一箇所の未納があるだけで、積み上げてきた準備が白紙になることも。事前のスクリーニングが成功の鍵を握ります。

Success

特定技能の申請は、一度不許可になると再申請のハードルが格段に上がります。弊社では、外国人雇用労務士が法的なコンプライアンスを徹底的にチェックし、スムーズな許可取得をサポートしています。少しでも不安がある場合は、申請前にぜひご相談ください。

義務的支援10項目を押さえよう

企業が実施すべき義務的支援の内容は次のとおりです。

事前ガイダンスの実施

  入国前に業務内容や生活情報を説明します。これにより不安を軽減できます。

出入国時の送迎

  空港と住居を往復できるよう、安全に送迎を行います。

住居確保・生活インフラ支援

  住居探し、保証人の確保、銀行口座開設など生活基盤づくりを支えます。

生活オリエンテーションの実施

  日本の生活ルールや公共サービスの利用方法を説明します。

公的手続きの同行支援

  市役所での転入届や社会保険加入などの手続きをサポートします。

日本語学習機会の提供

  日本語学習は定着に不可欠です。学習機会を提供し、職場コミュニケーションを円滑にします。

相談窓口・苦情対応の体制整備

  母国語で相談できる窓口を設置し、トラブルを早期に解決します。信頼関係構築に役立ちます。

日本人との交流促進

地域イベントなどを通じ、孤立を防ぐための交流を支援します。

転職支援の実施(企業都合の場合)

 企業側の理由で雇用継続が困難になったときに限り、転職を支援します。

定期面談の実施と報告

  3か月に1回以上の面談を実施し、その内容を年1回の報告に反映します。

特定技能受け入れのメリットと注意点

人手不足解消と職場の多様化

特定技能人材の受け入れは、深刻な人手不足を抱える中小企業にとって非常に効果的な対策となります。
特定技能外国人は一定の技能試験や日本語試験に合格しているため、現場で即戦力として働ける人材です。そのため、採用後すぐに業務の戦力として貢献してくれるケースが多く、既存社員の負担軽減にもつながります。

また、外国人材が職場に加わることで、社内に自然と多様な価値観が生まれるというメリットもあります。
異なる文化的背景や視点は、現場の課題に対して新しい解決策を生み出すきっかけになります。特に製造業や飲食業では、業務改善や顧客サービスの向上につながった事例も増えています。

多様性が高まることで、若手社員の刺激となり、組織の活性化にもつながる点は大きなメリットと言えるでしょう。

よくある失敗事例と回避策

一方で、特定技能外国人の受け入れには注意点もあります。
よくある失敗の原因として代表的なのはコミュニケーション不足支援体制の不備です。
採用前に業務内容や就労条件を十分に説明できていないと、入社後のミスマッチにつながります。
さらに、生活面での不安が解消されないまま働き続けると、離職につながる場合もあります。

これらを防ぐためには、定期的に面談を行い、仕事の悩みや生活で困っていることを早い段階で把握することが重要です。また、相談窓口を設置して、母国語で相談できる体制を整えておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。
企業側のコミュニケーションとサポート体制が十分に機能していれば、外国人材の定着率は大きく向上します。

登録支援機関の活用方法と選び方

委託できる業務範囲

登録支援機関は、特定技能1号の受け入れ企業が行うべき支援業務の多くを代行できる専門機関です。
具体的には、生活インフラの整備、行政手続きの同行、日本語学習の案内、定期面談の実施記録の管理など、多岐にわたる業務を任せることができます。

企業にとって負担が大きい書類作成届出面談報告、などの実務を委託できるため、自社のリソースを本来の業務に集中しやすくなります。また、外国人材の生活支援に慣れていない企業でも、専門家によるサポートでスムーズに受け入れ体制を整えることができます。
特に初めて特定技能制度を活用する企業にとっては、登録支援機関の活用が安定運用の鍵となります。

信頼できる支援機関を選ぶ5つのポイント

登録支援機関を選ぶ際には、次の5つのポイントを確認することが重要です。

  1. 実績
    過去にどれだけの企業・外国人をサポートしてきたかは大きな指標になります。経験が豊富な支援機関ほどトラブル対応がスムーズです。
  2. 対応範囲
    実施している支援内容が義務的支援10項目にしっかり対応しているか、また追加でどこまでサポートしてもらえるのかを確認しましょう。
  3. 費用
    支援の質と料金が見合っているかを比較することが重要です。安いけれど対応が遅いというケースもあるため注意が必要です。
  4. サポート体制
    母国語で相談できる体制があるか、夜間や休日のトラブルに対応できるかといったサポートの手厚さも重要です。
  5. トラブル対応力
    問題発生時に迅速に動けるか、過去の対応事例が明確かどうかを確認することで、安心して任せることができます。

これらのポイントを意識して支援機関を選ぶことで、運用トラブルのリスクを軽減し、外国人材の定着率を大きく高めることができます。

まとめ

16分野への拡大をチャンスに

特定技能制度を成功させるためには、紹介した7ステップを着実に実行することが非常に重要です。
準備が不十分であると、ミスマッチや早期離職につながる原因になります。
2026年1月の閣議決定により、今後さらに特定技能制度の活用が進むことが予想されています。

制度改正に対応した最新情報のチェックを忘れずに

制度は定期的に改正されます。
最新情報を確認し、柔軟に対応することで、特定技能受け入れを成功させましょう。

特定技能受け入れを成功させるために

この記事で紹介した内容を踏まえ、まずは以下を確認しましょう。

✅自社の受け入れ体制は7ステップに沿って整っていますか?
✅求人票や契約書に曖昧な表現はありませんか?
✅義務的支援10項目を漏れなく実施できる準備がありますか?

特定技能人材の採用は、事前準備が成功のカギです。
制度や受け入れ体制について不安がある場合は、専門家に相談することでリスクを最小限に抑えることができます。

サプルでは、最新の運用方法に基づき、特定技能の導入から支援代行までトータルでサポートしております。
特定技能制度の活用をご検討中の企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。