外国人採用ガイド

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特定技能の受け入れ条件まとめ:企業が満たすべき基準とは

特定技能制度における受け入れ条件を企業向けに解説したイメージ|基準チェックリストと人材採用契約の握手

日本の深刻な人手不足に対応するため、2019年に創設された在留資格「特定技能」
2026年現在、制度の拡充と運用ルールの適正化が進み、企業にとっては即戦力を長期的に確保できる極めて重要な選択肢となっています。

しかし、特定技能外国人を受け入れるには、法令遵守や特有の雇用契約、支援体制の整備など、クリアすべきハードルが複数存在します。本記事では、出入国在留管理庁の最新指針に基づき、企業が満たすべき基準をプロの視点を交えて詳しく解説します。

特定技能制度の全体像と2026年の最新動向

特定技能の受け入れにおける企業と登録支援機関、特定技能外国人の関係性を示した全体像図

特定技能制度の目的

特定技能制度は、国内での人材確保が困難な産業分野において、一定の専門性・技能を持つ即戦力外国人を受け入れるための在留資格です。

対象分野の拡大(16分野・19区分)

2026年現在、特定技能1号の対象は、2024年および2025年の閣議決定を経て、「自動車運送業」「鉄道」「農業」「林業」「木材産業」などの新分野を含む全16分野(区分細分化により実質19分野)まで拡大されています。

育成就労制度(2027年開始)との関係

技能実習に代わる新制度育成就労が2027年までに開始されます。
これは、3年間で特定技能1号レベルの人材を育てることを目的としています。今後は、育成就労で基礎を固め、特定技能で熟練工として長く活躍してもらうという育成と活用のサイクルが企業の標準戦略となります。

受け入れ企業(特定技能所属機関)が満たすべき要件

特定技能外国人の受け入れにおける企業の条件を解説した図解|法令遵守・雇用契約・日本語対応・支援体制のチェック項目

企業が特定技能外国人を受け入れるためには、大きく分けて3つの基準を満たす必要があります。

① 企業の適格性(法令遵守・コンプライアンス)

企業が健全な経営を行い、法令を遵守していることが絶対条件です。

労働法規の遵守

過去5年以内に出入国関係法令や労働基準法等の違反がないこと。

社会保険・租社会保険・租税の適正税

健康保険・厚生年金の加入はもちろん、法人税や消費税を滞納していないこと。

排除条項

暴力団関係者でないこと、また過去に行方不明者を発生させていないなど、管理実績が問われます。

💡外国人雇用労務士の視点:社会保険の「遡り加入」に注意

審査では社会保険の加入状況が厳しくチェックされます。特定技能への切り替えを機に、それまで未加入だった社会保険への加入を検討されるケースがありますが、未加入期間がある場合は遡及して支払う必要があるなど、申請前にコンプライアンスを整えることが不許可リスクの回避に直結します。

②雇用契約の基準

特定技能外国人との契約内容は、日本人と同等、あるいはそれ以上の条件でなければなりません。

報酬の同等性

最も重要なのが日本人と同等以上の報酬であることです。同じ業務に従事する日本人従業員の賃金を参考に、合理的な根拠を持って設定する必要があります。

一時帰国の権利

外国人本人が希望した場合、一時帰国(有給休暇の取得など)を認めることが契約に盛り込まれている必要があります。

保証金の徴収禁止

本人から保証金を徴収したり、違約金契約を結んだりすることは厳禁です。

💡 外国人雇用労務士の視点:「報酬の根拠」の明確化

単に「最低賃金を超えているからOK」ではありません。社内の給与規定に基づき、なぜその金額になったのかを賃金台帳比較対象者の選定理由書で論理的に説明する必要があります。2025年9月の改正により、優良企業には在留期間3年が付与されやすくなりましたが、その鍵となるのが透明性の高い賃金体系です。

③ 支援体制の整備(義務的支援10項目)

企業は、1号特定技能外国人に対し、日本での生活や就労を円滑に進めるための「支援計画」を作成し、実行しなければなりません。

1.事前ガイダンス(入国前の条件説明)

2.出入国時の送迎

3.住居確保・生活に必要な契約支援(保証人確保や銀行口座開設など)

4.生活オリエンテーション(日本のマナーや公共機関の利用方法)

5.公的手続等への同行

6.日本語学習の機会の提供

7.相談・苦情への対応

8.日本人との交流促進

9.転職支援(人員整理等による離職時)

10.定期的な面談の実施(3ヶ月に1回以上)

これらの支援を自社で行うには、過去2年間に中長期在留者の受け入れ実績があること等の高いハードルがあります。実績がない場合や事務負担を軽減したい場合は、法務省に登録された登録支援機関に全委託するのが一般的です。

外国人本人に求められる条件

特定技能制度における外国人材の要件を解説した図|技能試験、日本語試験、年齢、在留期間の条件

受け入れ可能な外国人本人も、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 18歳以上であること。
  • 技能水準の確認 分野ごとの技能評価試験に合格していること(技能実習2号を良好に修了した場合は免除)。
  • 日本語能力の確認 日本語能力試験(N4以上)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格していること(技能実習2号を良好に修了した場合は免除)。
  • 健康状態: 業務に従事するにあたって健康上の支障がないこと。

💡 外国人雇用労務士の視点:2026年現在の「免除」の扱い

技能実習からの移行者が多い現状ですが、職種(作業内容)と特定技能の分野が一致していない場合、試験免除にならないケースがあります。「実習をやっていたから大丈夫」と過信せず、個別の職種適合性を事前に確認することが重要です。

2026年運用の重要トピック

実務に大きな影響を与える最新の運用ルールを整理します。

通算上限5年の「カウント除外」ルール

2025年9月の改正により、産休・育休、または本人の責めによらない病気・怪我での長期休養期間は、特定技能1号の通算5年という期間から除外できるようになりました。

💡 外国人雇用労務士の視点:キャリア継続のしやすさ

この改正により、外国人女性が日本で出産・育児を経て復職する道が大きく広がりました。企業にとっても、育てた人材をライフイベントで失うリスクを軽減できる大きなメリットです。

在留期間「3年」付与の緩和

優良な受け入れ機関と認められた場合、初回の更新や申請から在留期間「3年」が認められるケースが増えています。頻繁な更新事務が不要になるため、企業・外国人双方の負担が大幅に軽減されます。

受け入れ成功へのステップ

特定技能制度における外国人材の受け入れと企業の雇用関係を表したイメージ

特定技能制度は、単なる労働力の確保ではなく、企業にとって成長の原動力となる人材を迎え入れるための制度です。

特定技能のルールは、入管庁の運用要領に基づき、実態に合わせて細かくアップデートされます。古い情報や独学での判断は、不許可だけでなくコンプライアンス違反のリスクも伴います。

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出典・参考